美味しいHALLS

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宮迫さんがHALLSをくれた。

 

「え?宮迫さんこのHALLS美味しいですよ?」

 

「あ、分かる?このHALLSは美味しいんですよ。あのどれを食ってもことごとくマズいHALLSが、唯一これだけ美味しいんですよ」

 

「ですよね?HALLSってどれ食ってもマズいですよね!でもこのHALLSは美味い!」

 

そう。HALLSは結構昔から日本で売ってるが、息の長い商品だが、どれ食ってもマズいのだ。HALLSがことごとくマズいことに対して自覚的な人と初めて出会ったので、思わずテンションが上がってしまったのだ。しかも、こんな美味しいHALLSは初めて食ったので驚いてしまったのだ。

 

でもちょっと待てよ。HALLSが全部マズいと知っているのに、どうしてこの人はHALLSを買ったんだろう?何回も何回も裏切られ続けてきたのに、この人はなぜHALLSを信じて手を出すことが出来たんだろう?

 

ひょっとして馬鹿なの?

 

宮迫さんは食通だ。美味しいものをたくさん知っているし、調理工程まで踏み込んで追求するし、気になったものはどんどんチャレンジする。俺みたいに気に入ったものを食い続けることは無い。いくら美味いからって、毎日沖縄そばを食うようなことはしない。

 

宮迫さんはお菓子も大好きだ。コンビニのお菓子も好きで、大体のジャンルのお菓子をとりあえず買って食べる。俺なんかはコンビニにあまり行かなくなったので、最近はコンビニお菓子からもずいぶん遠ざかっているし、お菓子自体そんなに食べなくなった。

 

「HALLSはミントが強すぎるんですよ。だからマズいの。見てこれ。これはシトラスソーダ味でしょ?だからミント味が控えめになってる筈なんですよ。HALLSの中では邪道系のチャラい位置づけなんですよ。客寄せ担当なんですよ。だからこれは絶対美味い!と思って。やっぱり美味かった」

 

宮迫さんは美味しいお菓子をロジカルに選抜する技術について自画自賛を続けていたが、俺は「5円玉の原価って、はていくらだったかしら?あれ元取れてんのかな?」と急に気になってしまい、宮迫さんを無視した。

 

ちなみに、HALLSはHalls brothers company という会社から咳止めドロップとして販売された。ワーナーランバート社に買収され、その後ワーナーランバート社はファイザー製薬に買収され、HALLSのブランドは何社かの手を転々として今はモンデリーズという会社が販売している。

 

日本のCMを見る限りは、もともと咳止めドロップだったということは伝わってこないが、「鼻・喉がスッキリする」みたいなイメージは確かに強い。

 

確かに、トローチとかヴィックスドロップとかをキャンディとして他のお菓子と比較したら、どうしても見劣りするんじゃなかろうか?

 

にしてもあんなに美味しくないのに、日本で30年間も売れ続けているということは、あれが美味しいと思う人や咳止めドロップとしての価値を認める人がそれなりにいるのだろう。

 

ちなみに5円玉の原価は7円だ。